
北京からロンドンまでの4年間、本当に辛い時期でもありました。そんな僕を支えてくれたのは、やはり家族でした。特に両親からは期待も大きかったので、僕が頑張っている姿を見せたいという思いもありました。また結婚をして子供ができた時期でもありましたから、心が折れそうな時も家族のことを考えると頑張れたんだと思います。それと北京オリンピックのことは嫌でしょうがなかった、けれども逃げずに向き合えたことでロンドンのメダルを取ることができたと思っています。今だから言えるのかもしれませんが、北京があったからこそのメダルだと思えるんです。また今、僕は北京の経験がなければ、これからの柔道選手を目指す子供達に伝えていくこと、話すことがなかったんじゃないかとも思います。
柔道は勝ち負けを決めるスポーツですが、勝つこと、そして負けたことからも学ぶべきことがたくさんあるんだということを、将来は指導者として子供達に伝えていきたいですね。
高校の3年間は僕の場合、柔道に明け暮れる毎日で華やかではなかったけど、目標に向かって一生懸命になれた素晴らしい時間でした。現在高校生の皆さんにとって、この3年間は何でもできる自由な時間です。遊ぶことも勉強することも、何かに打ち込むこともできます。でも高校時代の3年間だけでも、自分のルールを作って何かを頑張ってみるのもいいんじゃないかと思います。なぜなら、後で振り返った時に何かをした、頑張った記憶や結果が必ず残るからです。それが必ず今後の自分自身の成長につながると僕は信じています。